20周年事業
2005年2月26日 実行委員長 南里和成
ガバナー 栗林英雄
クラブ会長 北島恭一 幹事 秀島宣雄
来賓 佐賀市長 木下俊之
記念事業 児童虐待防止ワークショップ開催
佐賀市へ事業資金として約60万円寄付。高木瀬、日新、本庄、赤松、西与賀、嘉瀬、北川副、巨勢、鍋島各小学校にて安心、自信、自由などの基本権利意識を育てる目的で子供ワークショップおよび保護者や教師に対して児童虐待の実態や虐待防止方法を地域として考える目的で大人ワークショップを開催する。
佐賀市へ事業資金として約60万円寄付。高木瀬、日新、本庄、赤松、西与賀、嘉瀬、北川副、巨勢、鍋島各小学校にて安心、自信、自由などの基本権利意識を育てる目的で子供ワークショップおよび保護者や教師に対して児童虐待の実態や虐待防止方法を地域として考える目的で大人ワークショップを開催しました。
1000回記念例会 2006年5月23日 吉村正会長 園田嘉生幹事
20周年記念事業紹介 児童虐待防止ワークショップ
佐賀南ロータリークラブは子供の健全育成を願い、創立20周年を迎えるに当たり、佐賀市の教育委員会が本年度から市内の全小学校で取り組む児童虐待防止ワークショップ(参加型体験学習)に全員が積極的に参加、支援を行うことを記念事業として位置付け、佐賀CAP(Child Assault Prevention - 子供への暴力防止 向野久美子代表)のご協力を得て事業を展開しました。
児童を取り巻く背景
全国の児童相談所が2003年度に対応した児童虐待の相談件数は前年より2800件多い、26573件に増加し過去最高を記録しました。佐賀県でも同様に相談が急増し、殴る、蹴るなどの身体的虐待、食事を与えない育児拒否(ネグレスト)、暴言などの心理的虐待、その他性的虐待など、子供たちの痛ましい被害が浮かび上がってきています。
しかし、これらの相談に対応できる行政の体制整備は十分とはいえないのが現状です。佐賀市の教育委員会でも本年度から児童虐待防止のワークショップを初年度30万円の予算で5つの小学校で実施する計画となったものの全部の小学校で巡回実施するには数年を要するという状況でした。
事業目的
本年度(2004-2005)当クラブの北島恭一会長は、佐賀市の教育委員長という立場から、虐待の発生要因である育児不安、育児ストレスや産後のうつ、親の被虐待経験による誤った育児しつけ方針、夫婦不和や経済的困窮から来るストレス、親の社会的孤立などを解消していく一助となる目的で保護者、教職員を対象とした児童虐待防止ワークショップをより多くの小学校で展開していくことを提唱、クラブもこれらのワークショップに共に参加し、民間レベルからの社会的支援を行うことにしました。
大人ワークショップの開催と同時に子供たちが暴力から自分の心と体を守る力を持つために、体験学習を通して(1)安心して生きる権利(2)自信を持って生きる権利(3)自由に生きる権利を守る力に気付き、虐待や暴力の被害を未然に防ぎ、誰もが人間としての尊厳を大切にされる社会の実現を目的として子供ワークショップを実施することにしました。
事業の流れ
佐賀市内のより多くの小学校でワークショップが実施できるよう佐賀市の木下敏之市長へ56万円の寄付を行い、佐賀市の児童虐待防止ワークショップ事業経費として指定されました。その結果、6月15日の高木瀬小学校を皮切りに日新、本庄、赤松、西与賀、新栄、嘉瀬、北川副、巨勢、鍋島の各小学校で7ヶ月に渡り子供ワークショップと大人ワークショップが実施されました。当クラブの会員をはじめとして児童委員の方々など地域の人たちをも巻き込んだ活動となりました
事業内容
(1)子供ワークショップ
所要時間 90分
1 学年クラス単位で実施
1「安心」「自信」「自由」など子供にとって基本となる権利意識を育て
権利を守るために何ができるかを理解する。
2 権利行使のあり方
No;「いや」といってもいいよ!「いやだ」は自分を守るための大切な言葉だよ
逃げる;連れて行かれそうになったら、とにかく逃げよう。
怖いと思ったらその場から離れよう。
話す;信頼できる人に話そう。
3 ロールプレイ
4 別室で希望する子供から話を聞く。「復習タイム」
(2)大人ワークショップ
所要時間 120分
保護者、教師、児童委員などの地域住民
1 CAPとは
2 児童虐待の実態
3 子供ワークショップの内容説明と実演
4 エンパワメントな関わり方
5 虐待について(防止法など)
6 子供を援助するときに役立つスキルと支援機関
成果
保護者、教職者向けの大人ワークショップでは、子供を守るために大人ができることを理解できたこと、さらには子供の自己肯定感情を育てることや行動の選択肢を一緒に考えることなど子育ての指針を学ぶ機会が得られたことに対し、実施した学校から謝意と評価を受けることができました。
子供ワークショップでは子供たちは目を輝かせ「自分を守る方法を知って安心した。」「楽しくてためになる勉強だったので、もう一度来てください。」などの感想が寄せられ有意義な学習となりました。
「CAPを受けた子と受けてない子では暴力への対応が全然違ってくるだろう。」と、言われているとおり、今後は文部科学省へこの体験学習を積極的に取り入れていくよう、動きが出てきています。これらの活動が広く展開していくことによって一人一人誰もがお互いの基本的権利を尊重しあえる社会が実現していくことを願ってやみません。
佐賀南ロータリークラブでは未来を担う子供たちの健全育成にこれからも取り組んでいきたいと思っています。
謝意・礼状
佐賀南ロータリークラブ
会長 北島 恭一 様
梅雨の候、北島様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
先日は、子どもたちがさまざまな暴力から自分を守ることを目的とした佐賀CAPの皆様によるワークショップの実施にお力を貸してくださいまして、本当にありがとうございました。
保護者、学校職員むけのワークショップでは、子どもを守るために、おとなができること(子どもたちに自己肯定感情を育てることや子どもの話をよく聴くこと、子どもを信じて、気持ちを受け止め、「話してくれてありがとう。」「あなたの言うことを信じるよ。」などと、子どもが話すことができたことを肯定すること、行動選択肢を一緒に考えること等)をわかりやすく教えていただき、とても参考になりました。また、5年生の子どもたちが受けたワークショップでは、人は誰でも「安心して」「自信を持って」「自由に」生きる権利をもっていること、そして、いじめや誘拐、性暴力等の被害にあい、自分の権利が奪われたときには、「『いや』と言う」「逃げる」「誰かに相談する」ことができるということを教えていただきました。楽しんで参加していた子どもたち、きっとこれまで以上に自分や友だちのことを大切にしていくと思います。
佐賀CAPの皆様によるワークショップを開催してほしいという希望は以前からあり、何とかしたいと思っていたのですが、予算等のこともあり、これまで実施することができませんでした。今回、佐賀南ロータリークラブの皆様のおかげでワークショップの開催を本校で実現することができ、保護者や学校職員、そして誰より子どもたちがとても喜んでおります。重ねてお礼申し上げます。
最後になりましたが、北島様はじめ佐賀南ロータリークラブの皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
2004年6月29日
佐賀市立日新小学校
校長 山崎 俊雄
開催風景
児童虐待防止ワークショップの参加ご案内 (実施済)
児童虐待防止のため、子ども自身が持っている「自分を守る力」を引き出し、子どもが暴力や権利侵害から自分を守る方法を身につけさせるとともに、地域ぐるみで子供たちを守っていくことを目的として、保護者向けのワークショップ(参加型体験教室)を以下のとおり実施いたしますので、参加についてご案内いたします。
1 対象
児童虐待防止ワークショップを実施する市内小学校で、保護者ワークショップとは別途に実施される子どもワークショップに参加した児童の保護者、民生委員等地域の大人
2 実施方法
さがCAPに委託して実施
3 内容
・所要時間 90分から120分
・主な内容
CAPとは
-
子どもへの暴力概要
-
子どもワークショップの一部実演と説明
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エンパワメントな関わり
-
虐待について(防止法など)
-
子どもを援助するときに役立つスキルと支援機関の情報提供など
なお、保護者ワークショップのほか、子どもワークショップ及び教職員ワークショップも別途実施した。
4 保護者ワークショップを実施した日程